3DCGをレンダリングするのにライティングは欠かせません。が、
少しライトを調整したいけど再レンダリングの時間が無い!
そんな時に手助けしてくれるAfter Effectsのフリープラグイン【Normality】を紹介します。
もくじ
After Effectsのプラグイン【Normality】とは
Normalityは3DCG素材のコンポジションを組む際に、ノーマルマップを使用して簡易的にライトを追加することのできるエフェクトです。
ノーマル(法線)情報からライティングするので、もちろんCGのマテリアル等は無視したものになるので正確なものではありません。
下の例は一枚レンダリングした素材に対してnormalityでライトを追加してアニメーションさせたものです。
少しエッヂに光と色を入れたい時等に使えます。
Normalityの使い方
Normalityはノーマルマップが無いと機能しません。
先ずは素材となるベースの画像とノーマルの画像をレンダリングして出力します。
サンプルとして用意したものは、フラットな面、球、細かい凹凸のある面等の様々な形状を詰め込んだオブジェクトを使用してエフェクトのかかり具合を見ていこうと思います。
Normalityの適用
コンポを作成してレンダリング素材を入れます。
上から
・レンダリングしたビューティー素材にNormalityを適用したもの(調整レイヤーにNormalityを適用しても大丈夫)
・ベースとなるビューティー素材
・ノーマル素材(非表示)
と並べています。
今回ノーマル素材はEXRでビューティーと同時に出力しているので、ノーマルを抽出してプリコンポしています。別で出力している場合はプリコンポしないで素材を入れて大丈夫です。
ノーマル素材を指定
続いてエフェクトにノーマル素材を指定します。
エフェクトのNormalsの[Normal Map]をノーマル素材のレイヤーを指定します。
これで最初の準備は完了です。
ライトの追加
続いてポイントライトのレイヤーを追加します。
するとグレーのオブジェクトにライティングされたようになります。
ココでライトの影響がいびつだった場合[Normals]の設定を変える必要があります。
(これは各CGソフトの設定された軸の違いによって起きるのかな?)
この例ではInvert Xにチェックを入れたらいい感じになりました。
Shadingの[Enable Shading]のチェックでon/off
[color]でシェーディングカラーを変更することが出来ます。
様々な効果
Specular
SpecularのEnableのチェックを入れるとスペキュラを追加できます。
[Specular]で強さ、[Spread]で広がりを調節します。
Incidence
IncidenceのEnableのチェックを入れると回り込んでくるような光を追加できます。
[Incidence]で強さ、[Falloff]でフォールオフを調節します。
Rim Light
Rim LightのEnableのチェックを入れるとリムライトを追加できます。
[Rim Light]で強さ、[size]でサイズ、[Width]で幅、[Angle]で角度を調節します。
Toon
Gradient
よく分かりません・・・。
Matcap
Matcap素材を使って質感をつけることが出来ます。
Matcapはサンプルとなる球体を参照してオブジェクトに質感をつけるというもの。
Matcap素材を3つ作りました。
Matcap素材をコンポに入れて(非表示)、[Matcap]の横のプルダウンからMatcap素材のレイヤーを指定します。
すると指定した素材の質感が適用されます。
これでフラットな面がモザイクのような模様が出たりディティールが綺麗でなかった場合、[Blur]の値を上げると誤魔化すことが出来ます。
用意したもう二つのMapcapも見てみましょう。
Reflection
反射素材を使って反射をつけることが出来ます。
反射素材をコンポに入れて(非表示)、[Reflection Map]の横のプルダウンから反射素材のレイヤーを指定します。
すると指定した素材が反射します。
Refraction
屈折素材を使って反射をつけることが出来ます。
屈折素材をコンポに入れて(非表示)、[Refraction Map]の横のプルダウンから屈折素材のレイヤーを指定します。
すると指定した素材が屈折します。
この他のTexture、Bumpはよく分からないので飛ばします・・・。
必要な項目を合成
様々な効果がありますが必要なものだけ設定し、元のビューティー画像に加算等で合成すると、画の情報が増え見栄えもだいぶ変わると思います。
Shading,Specular,Incidence,Rim Lightを表示した状態
上の画像を元のビューティー画像に加算で重ねた状態
かなり派手になりました!
最後に
再レンダリングすることなくノーマル素材があれば手軽にリムライトを追加出来るのでちょっとした時に使えるエフェクトです。
ただし、凹凸を見ているだけで、立体の形状は見ていないので影を落としたりはしません。なので使いすぎると嘘くさくなってしまう点を理解しつつ使うと良いと思います。
初めまして、こんにちは。
ちょうどAEでの再ライティングする方法を探しておりましたので記事ありがとうございます!
わかりやすいです。1点質問があるのですが、3dsMAXからノーマル(法線)素材を出す方法を教えていただけないでしょうか?
調べたのですが見つからず・・・
お忙しいところ申し訳ありませんが教えていただけますと幸いです。
宜しくお願い致します。
初めまして。コメントありがとうございます!
ノーマル素材の出力方法についてですが
レンダラーは何をお使いでしょうか?
V-Rayを使用する場合はレンダリング設定の
Render ElementsにVRayNormalsを追加してレンダリングするとエレメント出力できます。
スキャンラインで出力する場合はマテリアルで出来る方法もあります。
今探してみたところこちらのブログにマテリアル設定を説明している記事がありました。
http://kentokumecggeneralist.blogspot.com/2016/04/3dsmaxmental-ray.html
V-Rayとまったく同じ結果とはいきませんがAEライティングで使えると思います。
是非いろいろと試してみてください。